西式健康法とは、西 勝造によって創始された健康法です。まず、西式健康法では人間を全体として、身体、心、霊から捉え、かつ宇宙全体、自然界全体の中に生きるものとして理解します。
西洋学は西洋の医学に偏らず、西洋の自然医学の伝統を守りながら、中国医学、インドの医学など世界の各地で発展した医学を広く研究した点で優れています。
人間はホリスティックな生き物です。動物や植物と同じく炭素、水素、酸素などの物質からなった体を持っています。
しかし、石ころとは違い生命が宿っています。寿命が尽きると死んで、身体は物(土)に帰ります。西医学では人間の肉体を生かす生命は、植物や動物とは違った価値の高い精神で、人間は万物の霊長ということを強調しています。
この精神は霊魂で一人ひとりの人間に特有なもので、特別な霊波を出し、人間を統一して一つの生命体にしています。
人間には、4つの原理があり、精神、皮膚、栄養、四肢の面からなっています。これを、6大法則の健康体操で、健康に維持して行くことが西式健康法です。
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【ホリスティック医学(包括医学)】
ホリスティック医学とは、西洋医学・東洋医学などの統合としてのホリスティック人間学的精神病理学のことを指します。
このホリスティック医学とは一つの医学・医療方法に限定せず、世界にある全ての医学・医療を認めるという原理に立って、自己に適した医学・医療を自由に選択するという医療の根本原則「インフォームド・コンセント」を完全に実現した医学です。
この名称は、J.C.シムスが「ホーリズム」(全体)を教えたことに由来すると言われています。これは生命体の全体は、その部分の総和より存在価値があるという考えです。
また、健康(Health)という言葉は”Hale”(全体)から出たものです。人間は全体すなわち、肉体、精神、心、霊性の全体として考えねばならないという原理がここにあるのです。
日本では、アメリカ合衆国に少し遅れて1987年に研究者が集まり、日本ホリスティック医学協会を設立しました。
そして『ホリスティック医学入門』を出版して、その医療原理を次のように示しました。
①ホリスティック(全体)な健康観に立脚する。
②自然治癒力を癒しの原点に置く。
③患者が自ら癒し、治療者は援助する。
④様々な治療法を統合的に組み合わせる。
⑤疾病の気づきから自己実現へ。
【アロマ・お香療法】
五感の中でも「におい」、嗅覚系の刺激を最も強く受けるとされている脳の部位は、大脳辺縁系と言われています。
これは発生学的に大脳の中でもっとも古い部位とされており、喜怒哀楽や驚き、恐れ嫌悪などの本能的な感情と、こうした感情にともなって顔色が変わったり、脈拍や呼吸が遠くなったりする生理的な反応を出すのが大脳辺縁系です。
アロマやお香療法は、特に医療を目的としたメディカルセラピーとしての緩和療法やリラクゼーションの分野で広く使用されるようになってきています。
医療の進歩が進めば進むほど、難治性の病気や緩和困難な症状の存在も浮き彫りになってきます。そうした疾患や症状に対しての代替補完療法として、実際に効果を上げ医療機関での導入が世界的に進んでいます。
これからは日本でも、アロマ・お香療法が統合医療の新たな地位を確立するものとされて行くでしょう。
そして、予防医学の観点からも日常生活の中に取り入れることで、生活の質と日常生活動作を改善や向上へとつなげることができると思います。
【自律訓練法】
自律訓練法は、もともと治療法として開発された治療技術のひとつで、60年以上前に紹介されて以来、心身症の治療法として広く用いられてきた訓練法です。
最近は、治療法としてだけではなく、ストレス対処法や健康増進法、注意集中法としても効果があることが知れ渡ってきて、テレビや雑誌などにも取り上げられることも多くなりました。
また、医療の場に留まらず、いろいろなところ(学校教育の場、企業の職場、スポーツの場、市民講座など)で自律訓練法の講演会や研修会が開催されています。
【酸素マスター(O2 Master)】
良くマラソンランナーやトラック競技のアスリート(スポーツ選手)などが、高地トレーニングとして標高2,000m近い高地でトレーニングをして、低酸素の中でトレーニングすることにより、心肺持続性を高めることは知られていると思います。
それだけに留まらず、気象学的に試合場所の気象条件、試合会場内の空調設備の空気の流れや気圧・湿度・温度・空気に含まれる塵などあらゆる側面から試合場所の条件を的確に把握し、何時でもその状況に合わせられるように、アスリート(スポーツ選手)は試合前から準備しておく必要があると思います。
試合時刻・季節・天候・空調・照明などもそのひとつです。そして、自分のパフォーマンスが最大限に発揮できる酸素濃度なども知っておく必要があるでしょう。
試合前、試合中、そして休憩中や試合後に、「呼吸法」と「酸素補給」が正しく行われれば、集中力や体力回復と言ったメンタル的にもフィジカル的にも、アスリート(スポーツ選手)にとって重要な要素だと考えられます。
【ウォーター ソムリエ(Water Sommelier)】
軟水や硬水といった言葉はよく耳にすると思いますが、地域や国により水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンには大きな違いがあり、自分が普段飲んでいる水(ウォーター)と違うと、特にアスリート(スポーツ選手)はパフォーマンスを発揮するのに影響してくると思います。
食事管理はもちろんですが、食事を作る際にも水(ウォーター)を使います。日常生活の食事や飲む水(ウォーター)から、既にアスリート(スポーツ選手)は勝負が始まっています。
日本では軟水が一般的で、ヨーロッパや北米では硬水が多く存在します。これは、土壌にも深く関係しており、日本は国土が狭く地層に浸透する時間が短いのに対し、ヨーロッパや北米の大陸では地層に接する時間が長いことが、軟水と硬水を生み出す大きな要因の一つでもあります。
その為、水の硬度によって食文化が違い、肉料理がメインの西欧文化ではミネラルが不足がちになり、ヨーロッパではミネラルを含んだ硬水で不足がちなミネラルを補っています。
私たちは、一般的に身体の60~70%が水(ウォーター)であると言われています。その為、自分に合った水(ウォーター)を選ぶのと同時に、食事に合わせて水(ウォーター)を選ぶ必要があるのではないでしょうか。
そして、常に身体に必要なミネラルのことを意識して、水(ウォーター)を選択する必要があると思います。
水(ウォーター)を制する者は、勝負(試合・ゲーム)を制すると言っても過言ではないでしょう。
【アロマ マッサージ(Aroma Massage)】
アロマは大きく分けて2種類あります。通常、アロマテラピー(Aromathérapie)と呼ばれるのがフランス式で、アロマセラピー(Aromatherapy)と呼ばれるのが英国式の総称です。
芳香を用いて病気や外傷の治療、病気の予防、心身の健康やリラクゼーション、ストレスの解消などを目的とする療法を指します。
使用される精油は植物に由来する揮発性の油で、それぞれ特有の芳香を持ち、生物活性が科学的に認められている物もあります。
精油を使った医療は、アラビアやヨーロッパで昔から行われている伝統医学のひとつでもあり、現代では自己管理の健康法としても用いられています。
精油を用いるアロマテラピーは、植物療法あるいはハーブ医学から派生したもので、錬金術と深く関係し発展してきました。また、アロマテラピーと言う言葉は1930年頃フランスの調香師・香料研究者のルネ=モーリス・ガットフォセが、アロマ(芳香)とテラピー(療法)を組み合わせて作った造語です。
ガットフォセのアロマテラピーは、香料を使った療法ではありますが、その治療効果に「香り」は関係ありませんでした。ガットフォセは、近代科学を疑う自然運動家ではなく、アロマテラピーを一つの新しい見込みある療法として医者に推奨しています。
日本では、江戸時代に西洋医学が伝わった際に、精油を用いた医療が伝わり、蘭方で精油が薬として利用されていました。
一方、アロマセラピーはと言うと、1980年代にイギリスから自然派美容マッサージと言う形で導入された為、現在の日本では医療と言う認識は低いです。
日本語では芳香療法と訳されることが多いですが、元々は精油を薬剤として用いる薬物療法を指しており、フランスでは現在でもこの意味で使われています。
英国に伝わって精油を使った美容法などが「アロマセラピー」で、元々フランスで精油を薬剤として用いる薬物療法を「アロマテラピー」と呼びます。
現在、日本では広くアロマコロジー(芳香心理学)と言う位置づけにあると私は思います。それは、ただ精油の香りを楽しむ行為なども含みますが、ホリスティックの主観に立ち、伝統医療の見地や芳香による人間の「嗅覚」と精油本来の「薬剤」としての両側面から、身体へのホリスティック(包括)的なアプローチをするのが、芳香療法を最大限に活用する方法であると考えられているからです。
また、精油を用いてオリーブオイルに「精油」を含ませ、身体をマッサージすることにより、人間の皮膚呼吸の観点からも、身体の症状や体のメンテナンスに「香り」と「薬剤」の両面から、心身のバランスやリラクゼーションを行うことが可能であると考えております。
【スタティック ストレッチ(Static Stretch)】
スタティック ストレッチ(Static Stretch)とは、スタティック コンディショニング(Static Conditioning)を行った後に行うストレッチのことを指します。
通常、ストレッチを行う際には、競技種目によりストレッチ方法や使われる筋肉の違いから、その競技に合ったストレッチを行うと思います。スタティック
ストレッチ(Static Stretch)の場合、トータルバランスを重視して、どの競技でも共通の概念である身体のしなやかさ、つまりホリステック(包括)的な主観のもと、身体のストレッチを行います。
一般的なストレッチは、アクティブ ストレッチ(Active Stretch)と言い、筋や腱にかなりの負荷をかけて行うと思いますが、スタティック
ストレッチ(Static Stretch)の場合は、穏やかなストレッチの反復を身体全体に均一に行うことにより、身体全体のトータル的な体のキレと柔軟性を高めて行きます。
【スタティック コンディショニング(Static Conditioning)】
日常、我々が生活していると動作に癖が出てくると思います。例えば、右ききであれば右手の方が左手より筋肉や腕の太さなど、左手より太くなったりするでしょう。また、サッカー選手や陸上のトラック競技などの選手は、手より足の方が反射的に反応しやすかったりします。
我々は本来、人間は全てにおいて均一している方が身体全体の動きとしてバランスが取れ、また筋肉の付き方がアンバランスだと怪我や故障の原因に陥りやすいと考えています。
そこで、普段の日常生活から試合までの流れの中で、普段の生活をセット状態と考えます。そして、試合前に行うストレッチやウォーミングアップをアクティブ
コンディショニング(Active Conditioning)と捉え、通常はこのアクティブ コンディショニング(Active Conditioning)の後に、アスリート(スポーツ選手)は試合に臨んでいると思います。
我々は、このアクティブ コンディショニング(Active Conditioning)を行う前に、スタティック コンディショニング(Static
Conditioning)を行い、心身のバランスをまず整えてからストレッチやウォーミングアップと言ったアクティブ コンディショニング(Active
Conditioning)に臨んで頂くことをお薦めしています。
具体的には、体のリンパを中心に「回す」「振る」「揺らす」と言ったスキルを用いて、心身との対話をして頂き、自分の身体を整えることに向き合って頂きたいと思っております。
また、試合後のストレッチや流しの後に、同様にこのスタティック コンディショニング(Static Conditioning)を行って頂き、次の試合に向けて自分の心身の状態をセットして頂けたらと思います。