「性同一性障害」とは、LGBT(性的マイノリティ)の中の一部でLGBT(性的マイノリティ)の人は、13人に1人はこれらの性的マイノリティの当事者と言われています。
L→レズビアン(身体の性、心の性も女性で女性を性愛の対象とする同性愛者)
G→ゲイ(身体の性、心の性も男性で男性を性愛の対象とする同性愛者)
B→バイセクシャル(男女両性を性愛の対象とする両性愛者)
T→トランスジェンダー(身体の性と心の性が一致せず、肉体的にも異性になろうとする人)
と言う言い方をすることが多いかと思います。さらにトランスジェンダーの方にも異性愛者、同性愛者、両性愛者がいますので複雑です。
性的マイノリティにはこれらのほかにトランスジェンダーを性愛の対象とするトラニーチェイサー、男女どちらも性愛の対象としない無性愛者もいます。
オス・メスのような生物学的概念としての性(セックス)に対して、社会や文化の中で後天的に獲得してゆく性を「ジェンダー」と言います。
本人が自分のジェンダーに確信が持てなかったり、反対の性に同一感を持ったりする場合を性同一性障害と言われています。
埼玉医科大学で性転換手術が行われてから、一般にも知られるようになりましたが、必ずしも正しく理解されているとは言えないのが現状です。
多くは幼少の頃から特徴が出始め、小児期は男児が人形遊びを好んだり、女児が荒々しい遊びに興じたりする場合が多いです。
思春期に表れる性同一性障害は、自分の性に不適切感を持ち、異なる性(同一感を持つ性)の服装をする人もいます。
同性愛とは区別されていると思いますが、私が把握する限り、性のあり方には色々とあって良いのではないかと思います。
現実には、「性転換手術」は未だに「タイ王国」に行って行わないといけないと言うのが現状で、「LGBT(性的マイノリティ)」関連で悩んでおられる方が、少しずつ「戸籍変更」などスムーズにできるようなったらと思っております。
わたくしも、市民権を得られるよう「LGBT(性的マイノリティ)」の方たちの生き方に賛同する一人として、ストレートである自分は「ストレート・アライ」として見守って行きたいと思っております。
カテゴリーアーカイブ: 09.ご相談の症状
【児童虐待】
「児童虐待」とは、親あるいは代理の保護者の行為によって、児童の心身が危機にさらされることを指します。児童虐待は大きく4つに分類できます。
①身体的虐待
身体に外傷が残る、あるいは残るおそれがある生命の危険を伴う暴力行為です。
②心理的虐待
児童に対する暴言、拒絶的な対応など、児童に強い不安やうつ状態などを引き起こさせる言動のことです。
③性的虐待
児童にわいせつな行為をすること。また、児童にわいせつな行為をさせることです。
④ネグレクト
児童の心身の発達を損なう衣食住環境や医療環境を、長時間放置しておくことです。保護者としての責任を放棄している状態のことです。
特にネグレクトのように「児童に何もしない」ことも児童虐待に含まれる点に注意する必要があります。
また、性的虐待については発見することが難しく、表面化していない事態が数多くあることが推定されています。
原因については、児童の頃虐待を受けると、親になったときに自分の子供に虐待をしてしまう可能性が指摘されています(世代間伝達)。
また核家族化と地域社会の変化により、親が子供への接し方を他者に相談できず、結果として虐待に繋がる場合もあります。
さらに、発達障害をもつ子供や落ち着きのない子供は虐待を受けやすいなど、子供自身の特徴による要因もあります。
このようにさまざまな要因によって児童虐待は起こるため、一義的に原因を決定づけることはできません。
虐待による児童の心身の危険があるため、児童虐待では早期発見と早期介入が重視されます。児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合は、児童相談所に通告しなければなりません。この時の通告義務は、守秘義務より優先されることが、児童虐待禁止法に規定されています。
虐待に関しては児童虐待以外にも、配偶者への虐待であるDV(ドメスティック・バイオレンス)や、子供から親への家庭内暴力の問題もあげられます。
これらの問題は、共依存という不健全な対人関係が形成されていることが多いです。共依存とは、過度に保護的な人間にパートナーが依存するだけでなく、保護的な人物が「パートナーに必要とされている」という状況に依存する状態です。
カウンセリングとしては、共依存を自覚することは困難なので、第3者の介入による対応が必要となってくると考えております。
【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社
【アダルト・チルドレン】
「アダルト・チルドレン」とは、夫婦げんかが絶えない家庭、親がアルコール中毒患者である家庭など、精神的に不安定な環境で育ち、いわゆる子供らしい時代を過ごせなかったという意味でその人を「アダルト・チルドレン」といいます。
大人になっても自分の気持ちをうまく表現することができないのが特徴で、泣きたい時に泣くことができず、抑圧された感情が怒りとなり急に爆発することなどもあります。
また、親などを信頼することができない子供時代を送ったため、他人に対して不満感を持ちやすく、必要な援助や助けを求めることが不得意です。
他には孤独感、無力感、過剰反応、自己評価の低さがあげられますが、「アダルト・チルドレン」は病院でも医学用語でもありません。
感情をうまく表現できず、周囲に気を遣い生きづらくなっている状態のことを指します。アダルト・チルドレンとは、そうであることを自らが認め、自分を育てていくための努力をするという肯定的な意味を持った言葉でもあります。
カウンセリングとしては、過去におけるトラウマがある場合はトラウマから解放させるようなアプローチをしていく必要があると思われます。
【ひきこもり】
「ひきこもり」とは、社会との関わりを避け、何か月もあるいは何年も自室に閉じこもり、外に出ないことです。
ひきこもりは、医学用語ではなく状態像を表す言葉です。
あるとき突然、家の自室に閉じこもって外出できなくなる。原因はさまざまで、親子関係において発生したもの、勉強に対しての完璧主義からきたもの、学校や会社でのいじめ、家族や友人の死など。
また、精神障害が第一の原因ではなく、ひきこもりになった人たちは人間不信、自信喪失感を持っていて、他人への警戒心や緊張感が多くみられます。
カウンセリングとしては、まず、ひきこもりのご家族の方にカウンセリングに来て頂き、話し合いをさせて頂き、わたし達がご自宅に訪問する形になるかと思います。
詳しい内容については、カウンセリングに来られたご家族と、どの様な援助が可能かご相談させて頂きたいと思っております。
【不登校】
「不登校」とは、文部科学省では「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義づけています。
現在は登校拒否と表現しません。不登校の要因もいじめと同様に多様で一義的ではありません。不登校の児童・生徒に対して、学校以外の場所を用いて教科指導を行う適応指導教室やフリースクールがあり、そこでカウンセラーが介入する場合もあります。
また、特別支援教室では、発達障害児や、視覚・聴覚など障害をもつ者に対し、学習・生活上の困難を克服し自立を図るために、一人ひとりの状況にあわせた教育が行われます。
以前の特殊学級からの違いは、発達障害児も対象とするように明記された点です。
詳しい内容については、カウンセリングに来られたご家族と、どの様な援助が可能かご相談させて頂きたいと思っております。
【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社
【ギャングエイジ】
「ギャングエイジ」とは、小学校の中学年から高学年頃にかけて、子供たちは急速に仲間意識が発達し、多くは同年齢の児童と閉鎖的な小集団(ギャング)を作って、そこで遊びや活動をすることに喜びを感じるようになることです。
この仲間は、家族以上に大きな影響を持つもので、大人から干渉されない自分たちだけの集団であることを望んでいます。
このような時期をギャングエイジと呼びます。
この場合、グループから取り残され、仲間はずれなどのいじめが発生する場合がありますので、注意深く見守る必要があるでしょう。
【いじめ】
「いじめ」とは、文部科学省では「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的苦痛を感じているもの。起こった場所は学校の内外を問わない」と定義づけています。
いじめは、中学校入学による環境変化から中学1年生が最も多いとされ、中1ギャップと呼ばれています。
いじめは、いじめる側、いじめられる側の問題、双方の家庭環境、学校環境、教師の対応など多様な要因で起こり、一義的ではありません。
立場による報告の食い違いも多く見られるため、可能な限り多面的な視点で1つ1つの事実を確認して行くことが必要とされるでしょう。
詳しい内容については、カウンセリングに来られたご家族と、どの様な援助が可能かご相談させて頂きたいと思っております。
【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社
【認知症】
「認知症」とは、失語症以外の脳障害の代表例として挙げられます。認知症は、一度成熟した知的機能が脳の障害によって広汎に継続的に低下する状態を指します。
特に頻度が高い認知症がアルツハイマー病です。アルツハイマー病は、海馬の障害からはじまり、新しい情報が記憶できなくなる(順向性健忘)。さらに進行とともに大脳の萎縮が起こり、過去の記憶の障害が目立つようになる(逆向性健忘)。
女性患者であれば、結婚前の旧姓で呼ばないと反応しないほど、若い頃の記憶が障害されることもあります。
アルツハイマー性の記憶障害は、老化に伴う物忘れと区別されます。老化に伴う物忘れの場合、たとえば食事したことは覚えているが、どこに食事に行ったのか思い出せない(想起・検索の困難さ)。
これに対し、アルツハイマー性は「食事に行ったこと」そのものを覚えていない(記銘・保持の困難さ)。
このように、出来事そのものを忘れてしまう場合は、アルツハイマー性の記憶障害が疑われます。日時や場所など自分の置かれている状況を正しく確認する能力を見当識と言います。
アルツハイマー病の進行に伴い、この見当識も傷害されていきます。今がどんな季節なのか、自分が何処にいるのかがわからなくなり、道に迷ったり徘徊したりするようになります。
このような症状は患者本人だけでなく、介護者の介護負担を増大させます。そのため、正しく認知症を理解するための家族教育と、薬物療法や介護施設を併用して介護者が燃え尽きないようにする環境調節が重要とされるでしょう。
【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社
【失語症】
「失語症」とは、脳血管の障害や事故などにより、大脳の言語野が損傷され、言語活動が困難になる状態を指します。
同様に言語活動が困難になる状態に転換性障害による失声がありますが、転換性障害は脳の障害が認められず、心理的な原因で生じている(心因)点で異なります。
また失語症は、遺伝性(内因)などの生まれつきの障害や発達障害でもありません。元々は困難なく言語を用いていたが、明らかな脳のダメージによって(外因)、言語活動が困難になる場合を指します。注意して区別する必要があります。
失語症は、前頭葉のブローカ野の損傷によって生じる運動性失語と、側頭葉のウェルニッケ野の損傷によって生じる感覚性失語に大きく2分されます。そして運動性失語は、言語を理解していますが、発音や流暢さに困難を示す状態で、感覚性失語は逆に発音や流暢さはよいが、言語理解に困難を示す状態です。
たとえば子供の運動性失語の場合「えっと…月曜日…ママと…スーパー…えっと…買い物して…」と言った様子だが、感覚性失語の場合、ミカンが食べたい時でも、「ママ、ミンカが食べたい」と言葉を言い間違えてしまったり、「ママ、バナナが食べたい」と別の食べ物と言い間違えたりするケースが御座います。
【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社
【コンプレックス】
「コンプレックス」とは、精神分析概念では無意識に抑圧されている自我を脅かすような心的内容が一定の情動を中心に絡み合って構成されているまとまりのことです。
一般的に「コンプレックス」と呼ばれているものは、劣等感コンプレックスと言うもので、本来コンプレックスは劣等感だけを指し示すものではありません。
カウンセリングとしては、クライエントさんの自己の自我状態を受け入れられるようなアプローチをしていくのが有効ではないかと考えております。