【森田療法】

森田療法とは、森田 正馬が考案した心理療法です。

森田療法は、森田神経質と呼ばれる者を主な対象としています。森田神経質とは、内省的で自身の身体的・精神的不快に敏感な、心気症傾向ある者のことを指す。身体的・精神的不快に敏感であるため、誰でも起こり得る身体的・精神的不快感を増大させてしまい(精神交互作用)、不快感に対する「とらわれの機制」が働いてしまう。

たとえば、些細な感覚に過敏に反応して不安がり、不安を感じないよう意識することが、かえって不安をあおってしまい「不安へのとらわれ」が生まれてしまう。

そこで、森田療法では、不安や恐怖などを感じることは特別なことではないと考え、カウンセラーは不安感の原因を追求しない「不問的態度」で接する。

そして、クライエントも緊張や不安・失敗などの体験を何とかしようとするのではなく、自然なものとして受け入れることで「あるがままの自分」を受容し「とらわれの機制」を打破していく。

もともとは入院治療を前提としていた心理療法でしたが、現在は外来両方やセルフ・ヘルプ・グループなども存在します。



【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社