再決断療法はエリック・バーンの共同研究者であった精神科医ロバート・グールディングと妻でPSW(精神保健福祉士)であったメリィ・グールディングが、クライエントの思考力に働きかける交流分析の理論をベースに、ゲシュタルト療法の深い情動的変化をもたらす技法を統合して開発されました。
再決断療法では、クライエントが今悩んでいる問題は、過去のある時点で(やむを得ない心理的理由などにより)、何らかの「決断」を自分がしたために起こっていると考えます。
自分で決断した結果によって現状があるため、今起こっていることの本質を理解しクライエントが自ら「再決断」することによって現状を変えることが出来ます。
クライエントは、ゲシュタルト療法によるサポートのもとで自分の問題に対する情動体験をしながら、それを交流分析の理論的な枠組みに沿って知的に整理していくことができます。
この再決断療法は、交流分析とゲシュタルト療法の良点を合わせて不足を補う変化の為の効果的な療法として現在幅広く活用されています。
再決断療法の目的は、個人が生活の中でさまざまに体験する問題を「決断」という観点から分析しつつ、思考や行動を具体的に変容させる為の方法を提供し、クライエントがより良い人生をおくることを援助することと言えます。