【内田クレペリン精神作業検査】

内田クリペリン精神作業検査とは、クリペリンが考案した作業を、内田 勇三郎が検査として改良した作業検査法です。

作業検査法は、被検査者に簡単な作業を行わせて、その作業結果から性格特徴をとらえる方法です。

■作業検査法の利点
①集団実施が可能
一度に多人数に実施することが可能です。

②回答のバイアスが生じにくい
性格検査と気づかれにくく、意図的な回答の歪を排除することができます。

③言語能力に依存しない
作業が中心であるため、言語が困難な対象に対しても実施可能です。

■作業検査法の欠点
①情報量の少なさ
1つの作業検査法から得られる情報量はさほど多くないです。表面的で限られたパーソナリティの側面しか判断しません。

②分析者の主観的解釈
結果の判定に分析者の主観が混入します。そのため、結果の解釈には熟練を要します。

③内容の単調さ
作業が単調かつ時間がかかるため、被検査者に負担がかかります。

ランダム数字が、上下2段に17行ずつ印刷された検査用紙を用います。また、健常者の作業曲線は定型曲線と呼ばれており、以下の特徴を持ちます。

1)最初の1分の作業量が最も多い(初頭努力)
2)最後の行(15分目)が次に多い(終末努力)
3)前半よりも後半の方が作業量が多い(休憩効果)



【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社