エゴグラムとは、交流分析(TA)のCP、NP、A、FC、ACと言ったそれぞれの自我状態に給付される心的エネルギー量をグラフに表したものをエゴグラムと言います。
このエゴグラムは、人間の性格や行動パターンを捉えるのに優れた方法です。エゴグラムの創案者デュセイは最初、エゴグラムは直観的な判断をもとにして作成するのが良いとしましたが、その後より理論的で客観的なエゴグラムを描くために質問紙法を用いるテストがいろいろと開発されています。
エゴグラムは交流分析(TA)の理論に基づいているため、その使用にはあらかじめ交流分析を学習しておくことが大前提となります。
心理テストはクライエントの性格特性をつかむための補助的な手段ですので、その結果を絶対視しないようにしましょう。結果に善し悪しはありません。
エゴグラムを1対1のカウンセリングで用いる場合は、原則として検査施行者は一定の時間間隔を置いて一項ずつ読み上げ、それに従ってクライエントが記入する「強制速度法」で行われます。
読み上げる時間間隔は、あまり短いと決められないし、逆に長すぎると考えすぎてしまいます。年齢や言語理解の能力に歩調を合わせて読み上げます。
エゴグラムによって自分の性格特性を分析できたら、次にその値を変化させる言動を行うことによって、よりバランスのとれた自己への変容を促します。
現在の自分のエゴグラムと比較して、低い部分を高くするようにしていきます。エゴグラムで一番高い自我状態は、あなたの性格特性の中心を担っていると考えられるので、無理に縮めようとしてもあまり上手くいかないものです。
低い部分を高くすることで心的エネルギーの配分が変わり、他の部分への心的エネルギーの配分が減って行くようになります。
【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社