【強迫性障害】

「強迫性障害」とは、嫌な思考、心的イメージ、言葉などが、何度も繰り返して意識にのぼり、それらを認めながらも、気にすればするほどますます強い不安や嫌な思いを伴う状態に陥ることを言います。

このような繰り返し意識にのぼる観念を「強迫観念」といい、それを払拭するために儀式的な行為(強迫行為)をします。

非合理的な思考である強迫観念と、強迫観念によって引き起こされる強迫行為を繰り返すことを主症状としています。

例えば、自分の手が非常に臭いという強迫観念のために、手を何度も何度も洗うと言う強迫行為を繰り返してしまう。

また、鍵をかけたかどうか何回も確かめる。本をアイウエオ順に並べる。ある物がしかるべき所に無いとき、きっちりと直すなどといった行為を指し、これらの行為で不安感は軽減されるが、この行為自体が苦痛になったりします。

本人は強迫観念が非合理だとわかっているが、強迫行為をやめることができず、疲労してしまうことが多いといったことが多いです。

いずれも本人が自覚しているという点で、精神病とは区別されています。また、アメリカでは、人口の2%にみられるとも言われていて、生活に支障をきたさなければ、珍しい症状ではありません。

カウンセリングとしては、クライエントさんの「強迫観念」にアプローチして、「とらわれ」からの解放を促すようなアプローチが有効ではないかと考えております。



【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社