【パーソナリティ障害】

「パーソナリティ障害」とは、属する社会や道徳や価値観から著しく逸脱し、偏ったパーソナリティを持つがゆえに、社会生活における持続的な苦難が生じている障害のことです。

その特徴としては、3つの群としてA群、B群、C群に分けられ、さらに10の個別のパーソナリティ障害に分類できます。

【A群 奇異で風変わりな行動】を示す群です。統合失調症との類似性があります。

①妄想性パーソナリティ障害
他者の言動を悪意あるものと感じてしまう。極端に疑い深い。幻覚が存在しない点で統合失調症と異なる。

②シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害
孤立した生活態度で社会的な関係を欲したり楽しんだりしない。平板な感情、他者への無関心さが特徴です。

③失調症パーソナリティ障害
迷信を信じ、奇妙な行動や言動をとる。奇妙な考え方と話し方のために、他者との親密な関係を築くのが難しい。

【B群 派手で突発的な行動】を示す群です。

①境界性パーソナリティ障害
対人関係、自己像、感情の不安定さが特徴です。他者や自己に対する理想化とこき下ろしがみられる。そのため、浪費、性行為、薬物乱用、無謀な運転、過食、暴力、自傷行為といった激しく衝動的で、自己破壊的な行動をする反面、見捨てられることを避けるために、なりふりかまわぬ努力を行ったりする。慢性的な空虚感を抱きやすい。

②演技性パーソナリティ障害
芝居がかった派手な行動、独特の服装、化粧、髪の色で、自分に注意を引こうとする。注目の中心にいないと不愉快になる。

③自己愛性パーソナリティ障害
誇大性、過剰な賞賛の要求、他者への共感の欠如を特徴とする。非難に対して非常に敏感で、失敗をひどく恐れる。

④反社会的パーソナリティ障害
他者の権利を無視して侵害する不適応行動(虚言、窃盗、放火、器物破損、暴力など)。無責任で怒りやすい。

【C群 不安や恐怖を感じやすい】群です。不安障害との類似性がある。

①回避性パーソナリティ障害
他者からの批判や拒絶を恐れるあまり、確実に自分が好かれる状況でなければ他者と密接な関係を築くことができない。

②依存性パーソナリティ障害
自主性を欠き、他者に必要以上の助言を求める。他者からの分離に対しては、極度の見捨てられ不安を感じる。

③強迫性パーソナリティ障害
完全主義者で、柔軟性がない。細かい規則・予定にとらわれる。また完全主義を他者にも期待するため、人間関係が限られる。

上記のような10の分類にパーソナリティ障害を分けることができます。
カウンセリングでは、パーソナリティ障害の方(本人)を変えさせると言う事は、非常に難しいのが現状です。

ですので、パーソナリティ障害の方と関わる人たちが、どの様な関わり方をしていったら良いかを、まず考えて行きたいと思います。

そして、クライエントさんの直面している生活上の問題を、一つひとつ改善し、適応的な生活を支援して行くことが有効ではないかと考えております。



【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社