【神経症】

「神経症」とは、心理的原因で引き起こされる障害で、その状態に再現性が認められる症状であるものについて示しています。

ですので、神経症は機能的障害であり、基本的に器質的変化は認められず、身体的な原因によって起こってくるものではないと考えられます。

また、特有の状態像を示すのも特徴です。基本的には自分が病気であることを認識していて、人格も保たれた状態でいます。しかし、強い不安感を抱えており、自分の状態にとらわれていることが多いです。

不安を基礎とした精神状態で、「自律神経系」の失調による身体症状が多くの場合出現します。

【不安神経症】
不安とは対象のない漠然とした恐れの感情とされ、対象が明確である恐怖と区別されています。

この不安な状態(不安感・切迫感・緊張感・怯え・興奮など)が前面にあらわれ、多くの場合、動悸・呼吸困難・発汗・震顫(しんせん)・めまい・尿意などの身体反応が発作的に生じる不安発作を伴います。

また、不安発作を繰り返すうちに、またいつか発作が起こるのではないかという予期不安が起こります。

【強迫神経症】
自分でも無意味、不合理と分かっていながらも、ある特定の思考(強迫観念)や行動(強迫行為)にとらわれて日常生活に支障が出てきます。

やめようとすればするほど強い不安感が生じ、やめることができません。

強迫観念とは、「突然人を刺してしまうのではないか」「握手をすとばい菌にとりつかれる」など、自分でも不適切と思う考えにとらわれ、制御できない。不安や苦痛を伴います。

強迫行為とは、「何度も手を洗う」「ドアの鍵を何度も確認する」など。ほとんどの場合、強迫観念に伴う不安や苦痛を軽減するため、衝動に駆られて強迫行為に至ります。

カウンセリングのアプローチとしては、クライエントさんの「とらわれ」を如何に改善していくか、と言う点になってくると考えております。



【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社