一般的には「ストレス」とは、生理的・精神的緊張負荷状態を言います。
仕事上の要請、対人関係、環境や心の傷などの要因(ストレッサー)によって、精神的不安やいらつき、身体症状などが引き起こされる状態のことを言います。
一方、心理的な側面からストレスを捉えるという考えで、環境からの要請と、ストレスへの個人の対応能力(コーピング)とのバランスが保たれず、前者が後者を超えるときにストレスが生じると言われています。
交感神経と副交感神経がバランスよく働いている状態が理想的なのですが、そのバランスが崩れると、さまざまな心理的異常が発生します。
たとえば、不安障害は危機的でない状態であっても闘争か逃走反応が起こり、呼吸の乱れや心拍数の増加、心身の緊張・不安が生じます。
他に、「働きすぎ」や「悩みすぎ」によって心身の活性化が継続し、交感神経系が一方的に働きすぎる状態が続くストレス状態に陥ることがあります。このストレス状態は、心身症(胃潰瘍など、心理的要因で生じる身体症状)の元になることがあります。
このように、現代人の生活は交感神経系に偏ることが多いと言われています。そこで、自律神経系の適切なコントロール(マネージメント)を目指す必要があります。
カウンセリングでは、クライエントさんに、主に自己の自律神経を整える事を中心にアプローチして行くと思われます。
この方法は、「気持ちが落ち着いている」「両腕両足が重たい」「両腕両足が温かい」などの四肢を弛緩させる言葉を唱えながら、「呼吸を整え」その内容に集中することで、緊張状態を鎮静状態に移行させるなどのアプローチが有効ではないかと考えられます。
【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社