【双極性障害(躁うつ病)】

うつ病に似ている症状が最初は発症し、うつ病と最初は診断されることも多いのが「双極性障害(躁うつ病)」ですが、うつ病と大きく違う点は、躁状態が現れる点です。

100人に1人が双極性障害(躁うつ病)にかかっていると言われています。双極性障害(躁うつ病)は感情の病と言われています。

病状の経過が周期的で、病期と病期の間に正常な時期があります。「躁病」、また「うつ病」のどちらかの病相が現れる単極型と、両方の病相が交互に現れる両極型があります。発病期は30歳前後が多いのですが、40~50代にも好発します。

また、躁状態、うつ状態が混合して現れる「混合状態」の病相が現れる場合もあります。その場合、イライラしたり葛藤に陥ったり不安定な状態が病相に現れ、自暴自棄や希死念慮の可能性が高くなるので、この場合は「精神科・心療内科」をまず受信して、必要であれば合わせてカウンセリングを受ける必要があると思われます。

躁の波と、うつの波が交互に現れ、躁状態がひどい場合には高揚感があり活気あふれる言動をしたり、疲れを知らずほとんど寝ないこともあり、抑制が外れた状態で多弁多動で攻撃的になったり、買い物依存になったりすることもあります。

考えが湧き出てきてまとまらない(観念奔逸)。誇大妄想に陥ることもあります。食欲や性欲も亢進することがあります。

特に、躁状態とうつ状態の波がはっきりと症状に現れる場合には、I型と言われ、「双極性障害I型」と言います。また、躁状態がそれほど顕著に見られない場合はII型と言い、「双極性障害II型」と言います。

うつ状態の時は、行動や思考が抑制される(制止状態)。暗く沈んだ抑うつ気分、劣等感に襲われ、全てを悲観的に考えたりします。

自責的になり、自殺を試みることもあります。食欲や性欲も低下する場合もありますし、逆の場合の症状が現れることもあります。

朝方気分が悪く、夕方に気分が軽くなる「日内変化」や、早くに目覚め過ぎる「早朝覚醒」が特徴でもあります。また、自殺企図は病気の初期と回復期に多いです。

カウンセリングにおいて双極性障害は、うつ病(気分障害)の「心因性精神障害」と違い「内因性精神障害」になりますので、カウンセリングだけでは必ずしも解決できる問題ではないと考えております。

ですので、「精神科・心療内科」にかかり、同時にカウンセリングも受けて頂くのが望ましいかと思われます。

カウンセリングでは、うつ病と同様に、クライエントさんの認知の仕方にアプローチして、自分自身の物の捉え方、考え方を見直すことで、物事の捉え方を正常な状態へと変化させていくと言ったアプローチが有効ではないかと考えられます。



【参考文献】
宮川 純『臨床心理士 指定大学院対策 心理学 編』河合塾KALS監修 講談社