【仮面うつ病】

「仮面うつ病」とは、恐怖・不安・緊張などの神経症状や心気症や身体愁訴(しんたいしゅうそ)が強いため、精神科以外の一般診療科を訪れることが多くあります。

その本態はうつ病にほかならず、うつ病としての精神症状が身体的症状にマスクたれたものだと考えられます。

身体的特徴としては、全身倦怠感・睡眠障害・頭痛・食欲不振・便秘・肩こり・痛み・性欲減退・動悸・息切れなどがよく知られています。

このように、身体症状は現れているが、抑うつ気分は自覚していないため、一見うつ病とはわからない病態を示すことがあります。

精神症状としての抑うつが乏しいが、あっても気づかれないが、抑うつ気分、欲動の減退、不安、焦燥が伴いやすく、日内変動するので、うつ病であることを見逃してしまう恐れがあります。

抑うつ気分に対する自覚がないため、身体症状のみを訴え、内科を受診することが多いことがあります。

内科で医師がうつ病を疑わない限り、うつ病が見落とされる可能性もあり、最悪の場合自殺未遂によってうつ病が明らかになるケースもあります。

病前性格は、うつ病一般にみられる執着傾向やヒステリー傾向が濃厚であることが報告されています。

自律神経うつ病や軽症うつ病の用語も、仮面うつ病とほぼ同じ意味で用いられているようです。

カウンセリングでは、自分の「自己受容」をするようなアプローチをして、「ありのままの自分で良いんだ…」といった、自分自身を受け入れると言ったアプローチが有効ではないかと考えられます。