友達と約束した花火大会に向かう途中
僕は幼馴染の女の子と遭遇した
そして彼女から声を掛けられたのだ
彼女の名前はサツキ、小学生時代からの幼馴染だ
サツキは花火大会の今日、浴衣姿に草履を履いて来ていたのだが
草履の鼻緒が切れ、僕に助けを求めて来た
彼女の視線を感じた僕は、頭の中が真っ白になりながらも
彼女の方へと人混みを掻き分け、近づいて行ったのだ
するとサツキからこんな言葉を掛けられた
「ハヤトくん、久しぶり…」「わたしの草履の鼻緒が…」
そう言うとサツキは僕に、自分の履いていた片方の草履を、僕に手渡したのだ
僕は草履の切れた部分を観て、サツキにこう言った
「サツキ…」「慣れない草履、履いて来るからだよ」「しょーがない…」
こう言って僕はポケットからハンカチを出し、鼻緒の切れた部分を直していたのだ
その間、サツキの右手が僕の左肩に寄りかかり
僕の心臓の鼓動はドキドキしていたのだ
そして此の鼓動をサツキに気づかれないか
僕は気が気ではなかった
つづく…