【詩】三学期ってどんな楽器

新しい年が始まって そろそろ学校も始まったようだ
待ちに待った三学期と言いたいところであるが 気分が晴れない

どうやら俺のこころは にわかに雨雲から雪雲に変わり
そして”ピチピチ チャプチャプ ランランラン”とは行かないのだよ

これはセオリーと言う名の シナリオ通りの大根役者がすることなんだよ
俺はそこらの役者と違う 一端の名脇役で何十年も飯を食ってきたんだ

だからって主役を射止めようなど これっぽちも思ってはいないんだよ
それは若い者に任せてな オヤジは親父なりのいぶし銀を出すのが奥ゆかしい

若い衆にはこのオヤジの渋さなど分からないと思うが おばちゃまからはウケがいい
そのくらいにしといてやるよ 今日のところはな

さてさて若い衆が一学期だとすると 中堅の主役を張るひと皮むけた役者は二学期なのか
そうすると俺んちは三学期にもう入ったんだな 三学期には三学期にしか出せない色と味がある

このいぶし銀は最近の若い娘どもにも 強もてで人気があるらしい
オヤジはちょっと嬉しくなって ”ニヤリ”とニヒルに笑うのだ

それがまたいい味出して 渋さが光るのである
チャラい男はもうモテないよ 硬い硬派はセンスが良い

そんな自分の色を音として響かせて 今日もオヤジはニヒルに”ヒィヒィヒィ”と笑うのだった