【詩】土用の丑の日

先日ね 僕は一年ぶりに鰻を食べたんだよね
そう ここ数年は鰻が取れなくてさ とても高級品だよね

僕はお金が無いからさ 両親にご馳走して貰ったんだよね
だってさ 鰻をお店で食べるとさ 参千円以上するからさ

それに僕はさ 普通に働くことが出来ないんだね
僕には幾つか障害がある それは生まれながらの先天的なものなんだ

そして僕は今までさ それを受け入れようとせずにさ
乗り越えられるものだと 思っていたんだね

でもさ 僕は途中からその障害を乗り越えるのではなくてさ
うまく付き合って行こうと 決めたんだよね

鰻もさ 産卵のためマリアナ海溝まで行ってさ
卵から孵った 稚魚のシラス鰻はさ

海から自分の親の生まれ育ったさ 河川に遡上してさ
親鰻の生まれ育った場所へとさ 戻ってくるんだよね

これは生まれながらに備わったさ 特性だよね
障害も同じで それはある意味さ 特性だと僕は思うんだよね

そしてこの宿命の中でさ 僕は自分の可能性を探したんだよ
それは自分が何が得意で何が苦手かをさ 自分自身で見つけることなんだよね

自分を知ることってさ とても大切だと僕は思っているんだよ
でもさ 自分で自分を直接さ 観たり観察したりすることは出来ないよね

僕たちは自分の姿にしろ声にしろさ 鏡だったり録音だったりしてさ
そうやって 自分と言うものを客観的に評価することしか出来ないよね

そしてさ 客観的に自分を評価することが出来ればさ 自分の何が得意で何が苦手かをさ
見つけて行くことが 出来るんじゃないだろうか

だからさ 出来ないことを探すよりさ 自分の出来ることやさ
また 好きなことを伸ばす努力をする必要があると 僕は思うんだよね

そうやって僕も 今までも そしてこれからも
もがいて生きていこうと 思うんだよね