【詩】螢の光

この時期になると田舎を想い出すよね そう田んぼに点灯する僅かな光だよ
僕がまだ小さかった頃 田舎の田んぼでよく見かけた螢の光だね

その光はね とても小さく そしてとても儚い光でもあるよね
だってさ 螢の光はさ 一週間から二週間で消えてしまうからね

そしてその期間だけしかね 螢は生きられないんだよ
日本ではさ ゲンジボタルとヘイケボタルが有名だよね

これって面白いよね だって歴史の授業で源氏と平家の勉強をしたけどさ
平家を滅ぼしたのが源氏でね そして新しい鎌倉幕府を築いたからさ

でもさ 螢が観られる時期ってさ 本当に僅かだよね
それにゲンジボタルが先でね その後ヘイケボタルが姿を現すんだよね

僕たちは何千年も昔から この螢のように競い合って自分たちの主張を続けてきたのかな
でもさ 実際は螢のようにね 僅かな間しか生きられないんだよね

そう こんな唄があったよね

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはす おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし たけき者も遂にはほろびぬ ひとへに風の前の塵に同じ

これって 平家物語だったよね

僕たちは自分のことをもっと見つめてさ おごらず控えめでありたいよね
そして肩の力を抜いてさ 周りのひとの気持ちをもっと考えられるようになると素敵じゃないだろうか

そうなればさ きっと僕たちが今観てる螢もさ
今よりもっと輝いて見えてね 生命の尊さや儚さを考えられるようになるんじゃないだろうか

そうなればさ もっと素敵な世界になるんじゃないだろうか