【無知の知】

古代ギリシアの偉大な哲学者ソクラテス。
哲学者プラトンの師匠でもありソクラテスの没後、プラトンを通じてその哲学が後世に伝えられ、西洋哲学の主流となりました。

そのソクラテスは、死刑宣告を受けて、獄中で毒を飲んで亡くなりました。
衝撃的なのですが、なぜ死刑宣告を受けたかというとソクラテスの名言「無知の知」に関係があるのです。

当時、ソクラテスは、現在のギリシアのアテネで精力的に活動をしていました。
その活動で、アテネ市民に、対話的問答を通じて、相手に無知ということを自覚させようとしたのです。

ソクラテスは、「賢い者ほど、無知であることを自覚しよう」ということを伝えたかったのです。
しかし、その活動は、アテネ市民には受け入れられずにそして、告発されて、時の権力者から死刑宣告を受けたのです。

その時、ソクラテスの弟子たちは脱獄を勧めたのですがソクラテスは「悪法も法」だと言い、死刑宣告を受け入れて死刑執行として、毒を飲んで亡くなったのです。

そのソクラテスの有名な哲学、名言「無知の知」とはどうゆう意味が隠されているのか?
ということになります。

簡単に言えば、この名言は「自分は何も知らない」ということを自覚すれば、それだけで、他の人よりも優れているんですよという考えになります。

なぜそうなるかというと、「自分は何も知らない」という「謙虚さ」を持つということです。
得てして人は他人に対して、優位に立ちたがり知ったかぶりをしたりしてしまいます。

知ったかぶりをしてしまうと人の成長はそこで止まってしまいます。

深く考えもしないし、思考が停止してしまうのです。
「自分は何も知らない」ということを自覚していればそこから、物事をよく知りたいという探究心が生まれて学問が発展していき、未来が開けていくということです。

哲学とは、学問の入り口ですから。
今の思いこみを改めて、哲学や学問の基本姿勢を示した言葉が「無知の知」になるんですね。

ここで、「自分はバカだ」とか「頭が悪い」とかという意味では決してなくて、「自分には知らないことがある」と自覚することで、成長するということなんです。

そして、「自分の知らないことを他の人は知っている」と自覚することで、人への謙虚な気持ちや感謝の心が育まれるという訳になるのです。

哲学というと、難しく感じるかもしれませんが、人生にはさまざまな事や問題があります。
そのことに対して「正しい答えを導いていく」というような学問になります。

そのような意味で、「無知の知」というソクラテスの名言に従って、行動することで人生が開けてきたり、人生の正しい歩き方が見えてくるのではないでしょうか?