【転移・逆転移】

心理学の中で、クライエントさんと密接な関係が構築されればされるほど、「転移」という現象は必ずと言っていい程、避けては通れない道であると思う。

クライエントさんがカウンセラーにクライエントさんの内的葛藤から生じる、カウンセラーへの非合理的な感情全般を「転移」と呼ぶのだが、「転移」には好意や恋愛感情を向ける「陽性転移」と、敵意や怒りを向ける「陰性転移」がある。

なので、カウンセラーは素性をクライエントさんに明かすべきではないと自分は思う。

あくまで、決められた時間の中で、ある意味特別な時間と空間を提供することで、お互いが安心して全てをさらけ出す事の出来る密室を作ることがカウンセラーとして自分の描く理想でもある。

とは言っても、現実はレンタルスペース、喫茶店でカウンセリングとして成立させている場合もあるのだが、自分としてはちょっと違うんではないかな~とも思ったりするのではあるが…

話を戻すと、この「陰性転移」については、いざとなったら警察のお世話になるかも知れないという覚悟を決めておく必要があるのかも知れない。

「陽性転移」については、どの様に受け止めるかで「逆転移」に豹変することもあるかも知れないし、面白くストーリーを描くなら、クライエントさんの「陽性転移」をカウンセラー側が反応して「逆転移」し、カウンセラーがクライエントさんを好きになるケースがあるかも知れない。

その為、「逆転移」したカウンセラーは中立性が失わせるため、「逆転移」の発生を防止すべきと考えられており、精神分析家(カウンセラー)は教育分析(自らクライエントさんとなりカウンセリングを受ける)ことが必要であると考えられている。

現在では、「逆転移」は少なからず生ずるものであり、むしろ心理面接に生かすべきと考えられているようである。大切なのはカウンセラー自身が、「逆転移」を自覚できているかどうかであり、それに振り回されることなく、なぜ自分に「逆転移」が生じているのか「自己洞察」することで、より深いクライエントさんの理解が可能になることを自覚することである。

とは言ってもカウンセラーも人の子であり、恋はするし、恋は盲目であったりするのではあるが…
人の心を扱う以上は…

フロイトの時代から、心理学に色恋の話しは耐えないのであるが…

『賢い人とは、自分の心をコントロールしている人であり、 愚かな人とは、逆にそれにコントロールされている人で ある』

ジェームズ・アレン

戒めの言葉だな!