私が心理カウンセラーの中でも、スピリチュアルケアカウンセラーと名乗る理由があるのは、霊的な健全をも含めて精神的な心理カウンセラーを目指しているからです。
WHOでは、1998年に「健康の定義」に「健康とは、身体的・精神的・霊的・社会的に満足のいく動的な状態をいい、単に疾病または病弱がみられないことではない」と定めた。
健康の定義に、スピリチュリティの側面を考慮すると言う姿勢は、実は1998年に始まった訳ではありません。
「霊的に満足いく状態」と言う表現は、既に1948年にWHOが現行の定義を決定しようとする時点で、原案に盛り込まれていたという事です。
「霊的に満足いく状態」という表現は、長く歴史の表舞台から姿を隠していただけだったのです。
その内容は、以下のようなものでした。
「スピリチュアルな治療は伝統医療の本質的な部分であり、スピリチュリティは健康の中枢をなすものである(この内容が省かれたのは、マルクス主義国家集団からの反論があったためと言われています)。」
そして再び、「健康における霊的側面の重要性」が指摘され、見直されるようになって来ました。
今、物質主義から唯物論的な自然観や人間観には少なからず共通するものがあります。
こうした流れの中で、世界的な伝統医療への回帰の傾向や「霊的に満足いく状態」の必要性を説く必要があります。
現在、世界の流れは「スピリチュリティ」をキーワードとした健康観にまつわる深刻な確執のさなかにいるのです。
その中には、もちろん「ホリスティック(統合医療・代替医療)」の観点も含まれています。