【基本編】
心理学の巨匠でもある精神科医フロイトは、人間は「性の欲望」が神経作用に影響するとした「リビドー」の考えを持ち込んだが、森田療法を創始した森田 正馬は「生の欲望」の影響があるとした。
では、神経症の発症説を比べると
<フロイト> 病症=感動事実(しかも性欲の)×機会
<森田 正馬> 病症=素質×感動事実(一般の恐怖)×機会
という考えで、大きく違う。
フロイトの心理学で言うと神経症を発症するのに、感動事情に性的な欲望が常に含まれている…
例えば、フロイト説では、子供や大人になった時の神経症について、親の愛情が無かったのが原因で神経症を患っていると結びつけた考え方をすることが多い。
一方、森田説では、まず素質の「神経質素質」に趣を置き、そこへ持ってきて「感動事実」が加わる。
例を上げると、例えば電車に乗り会社に近づくとお腹が痛くなるのは、会社に行きたくないなどのマイナスな感動を全身に感じるときに起こる。
つまり、森田療法の根源には「生の欲望(生きる欲望)」があるからこそ、その反動として負の作用が、体に表面化したという考え方になる。