【短編小説】夏祭り⑮(最終回)

幼い頃、二人で観た長岡の花火大会の話をして居たハヤトとサツキは
其の当時、ハヤトがサツキに言った言葉を、サツキは覚えていてくれたのだ

そして其の時のハヤトの気持ちが、今でも変わって居ないか、サツキはハヤトに確かめたのだった

ハヤトはサツキが、自分に対する好きだと言う感情が有る事を、確認する事が出来た
すると自分の中に押し込めて居た感情が、言葉として溢れ出たのだ

其の言葉とは
「サツキ、俺もだよ…」「今でもサツキの事、好きだよ…」

此の言葉であった
満天の夜空を染めあげる花火が、二人を照らし

其の輝きと音で、二人の心は突き動かされ
鼓動となって鳴り響いた

もう言葉にする必要も無い、二人は時折見つめ合い、そして花火を眺めて居たのだ

此の夏の花火大会から、ハヤトとサツキの恋は再び始まった
だが、サツキは都会の大学に進学してから、ハヤトとサツキは次第に、連絡を取る事も無くなって行ったのだ

そしてハヤトは親の家業を継ぎ、今では地元の新潟市で、小料理屋を営んで居る
友達の話によると、サツキは東京の大学に進学し、今では結婚して子供も居るらしい

そんなサツキは、僕に初恋を教えてくれた大切な想ひでの女性として、今でも僕の心のアルバムの中にあるのだった

終わり