【短編小説】夏祭り⑪

サツキを背中に背負い、ユウタの待つ八代神社の一本杉へと向かったハヤトは
神社の階段を、一段いちだん登って行った

するとサツキは申し訳なさそうに、ハヤトにこう言ったのだ
「ハヤトくん、ごめんね…」「重くない…?」

サツキがこう言うと、ハヤトはサツキに向かって
「大丈夫だよ、サツキ…」「あんず飴、ご馳走、出来なかったし…」

こうハヤトは、サツキに答えたのだ
其の言葉を聴いたサツキは、ハヤトの背中の背後から

ハヤトをギュッと握りしめたのだった
此の時、ハヤトはサツキに何も言わなかったが

自分のサツキに対する感情を、ハヤトは確認する事が出来たのだ
こうしてハヤトは息を切らし、階段の上まで登ったのであった

するとサツキは、ハヤトに向かってこう言った
「ありがとう、ハヤトくん…」「大丈夫…?」

サツキはハヤトに、申し訳なさそうに聞いたのだ
此の時ハヤトは、サツキに笑顔を作ってこう答えた

「大丈夫だよ、サツキ…」「昔、サツキを、よく背負ったから…」
こうハヤトがサツキに言うと、サツキも嬉しそうに微笑んだのだ

そして二人は、しばらく八代神社の階段の上で、昔の頃を思い起こし
見つめ合っていたのだった

つづく…