【短編小説】夏祭り⑫

八代神社まで辿り着いた、ハヤトとサツキは
ユウタが待つ八代神社の一本杉へと向かおうとした

するとサツキはハヤトに向かって、こう言ったのだ
「ハヤトくん…」「わたしは大丈夫だから、先に行って…」

こうサツキがハヤトに言うと、ハヤトはサツキにこう言い返した
「サツキ…」「サツキひとりにして、置いて行けないよ…」

そうハヤトがサツキに言ったのだ
するとサツキはハヤトに、申し訳なさそうに

「でも…」「ユウタくん、待たせちゃてるし…」
こんな言葉をサツキから、投げ掛けられたのだった

ハヤトは此の言葉を聴いて、サツキに向かってこう言った
「サツキ…」「今日の花火大会、此処からふたりで観よう…」

そうハヤトは、サツキに言葉を掛けたのだ
サツキは心配そうに、ハヤトにこう言い返した

「ユウタくんとの約束、大丈夫なの…?」
こうサツキがハヤトに言うと

ハヤトはスマホをポケットから取り出し
ユウタに電話し始めたのだ

そしてハヤトは、こんな言葉を口にした
「もしもし、ユウタ…」「ハヤトだけど、ちょとお腹が痛くて…」

こう言ってハヤトは、ユウタとの約束を断ったのであった
そしてハヤトとサツキは、八代神社の境内から、二人で花火を観る事になったのであった

つづく…

【短編小説】夏祭り⑪

サツキを背中に背負い、ユウタの待つ八代神社の一本杉へと向かったハヤトは
神社の階段を、一段いちだん登って行った

するとサツキは申し訳なさそうに、ハヤトにこう言ったのだ
「ハヤトくん、ごめんね…」「重くない…?」

サツキがこう言うと、ハヤトはサツキに向かって
「大丈夫だよ、サツキ…」「あんず飴、ご馳走、出来なかったし…」

こうハヤトは、サツキに答えたのだ
其の言葉を聴いたサツキは、ハヤトの背中の背後から

ハヤトをギュッと握りしめたのだった
此の時、ハヤトはサツキに何も言わなかったが

自分のサツキに対する感情を、ハヤトは確認する事が出来たのだ
こうしてハヤトは息を切らし、階段の上まで登ったのであった

するとサツキは、ハヤトに向かってこう言った
「ありがとう、ハヤトくん…」「大丈夫…?」

サツキはハヤトに、申し訳なさそうに聞いたのだ
此の時ハヤトは、サツキに笑顔を作ってこう答えた

「大丈夫だよ、サツキ…」「昔、サツキを、よく背負ったから…」
こうハヤトがサツキに言うと、サツキも嬉しそうに微笑んだのだ

そして二人は、しばらく八代神社の階段の上で、昔の頃を思い起こし
見つめ合っていたのだった

つづく…

【短編小説】夏祭り⑩

友達のユウタが待つ一本杉へと向かった、ハヤトとサツキは
八代神社の階段を登って居たのだが

其の途中でサツキの草履の鼻緒が、また切れてしまった
そしてサツキは階段の途中で、しゃがみ込んでしまったのだ

其れを見たハヤトは、サツキにこう言った
「サツキ…」「大丈夫か…」「其の草履、ちょと見せてくれる…?」

こうハヤトがサツキに言葉を掛けると
サツキはとても悲しそうな表情をして、ハヤトにこう答えたのだ

「ハヤトくん…」「ごめん、折角ハヤトくんが直してくれたのに…」
サツキがこう言うと、ハヤトはサツキにこんな言葉を掛けた

「俺の方こそ、ごめん…」「ちゃんと直せなくて…」
こうハヤトは申し訳なさそうに、サツキに言ったのだ

そしてハヤトは、草履の鼻緒が切れた部分を見て、サツキにこう言った
「サツキ…」「此の草履の鼻緒、簡単には直せないよ…」

こうハヤトがサツキに言うと、サツキは今にも泣きそうな表情を浮かべたのだ
ハヤトは何とかしなければと思い、咄嗟にこんな言葉をサツキに言った

「サツキ…」「階段の上まで、俺が背負って行くよ…」
此の言葉を聴いたサツキは、少し嬉しそうな表情を見せ、頷いたのだった

こうしてハヤトとサツキの二人は
ユウタの待つ八代神社の一本杉へと向かったのであった

つづく…

【短編小説】夏祭り⑨

ユウタからの「LINE」を受け取ったハヤトは
サツキと一緒に、ユウタが待つ一本杉へと向かった

其の途中、ハヤトはサツキが自分の事を
どう思って居るのかとても気になったのだ

そしてこんな言葉を、サツキに投げ掛けた
「サツキ…」「金魚すくいの屋台で、おじさんに言った言葉、覚えてるか…?」

こうハヤトがサツキに向かって言うと
サツキは何の躊躇いもなく、こう答えたのだ

「ええぇ…」
するとハヤトは、恐るおそるこう切り出した

「ええぇ、て…」「それは幼馴染って事かなぁ…」
「其れとも、ひとりの男性として、デートしてるって意味かなぁ…?」

こんな言葉が、ハヤトの口から出て来たのだ
自分でも不思議なくらい、此の言葉が出て来た

すると其の言葉を聴いたサツキは、少し間を置いて、こう答えたのだ
「ハヤトくん…」「幼馴染なんだから、わたしの気持ち、わかるでしょ…」

サツキはハヤトに向かってこう言ったのだ
此の時のハヤトの気持ちは、複雑だった

其れはサツキに対する自分の気持ちが、はっきりとは自分でも判らなかったからだ
しかしサツキと一緒に居ると、昔の頃のように、素直に自分を出せるのは間違いない

こうして二人は一本杉がある
八代神社の階段を、登って行ったのであった

つづく…

【短編小説】夏祭り⑧

金魚すくいの勝負で、サツキに負けたハヤトは
サツキにあんず飴をご馳走する為、二人であんず飴の屋台へと向かった

其の途中、ハヤトのスマホの着信音が鳴ったのだ
ハヤトは慌てて自分のスマホをポケットから取り出し、そして見て観る事にしたのだ

すると「LINE」のメッセージで有る事がわかった
ハヤトが其の内容を確認すると

八代神社の一本杉で約束して居た、友達からの連絡で有る事がわかった
ハヤトが其の内容を読むと、次の様な内容だった

「ハヤト、約束の18時過ぎてるぞ…」「早く来いよ…」「連絡待ってるからな…」
こう書かれてあったのだ

此の様子を観て居たサツキは、ハヤトに向かってこう言ったのだ
「ハヤトくん…」「もしかして今日のお祭り、友達と約束してたのかなぁ…」

サツキがハヤトに向かってこう言うと、ハヤトはサツキの方を向いて、こう答えたのだ
「ごめんサツキ…」「実は友達のユウタと、花火大会の約束を…」

こうハヤトがサツキに言うと、サツキはハヤトに向かって
「ハヤトくん…」「わたしも一緒に行って、いいかなぁ…?」

サツキは、そうハヤトに答えたのだ
ハヤトはとても焦った、そしてどう答えたら良いのか迷ったのだ

しかしあんず飴の件もあり、断る事が出来ず
一緒に八代神社の一本杉へと、向かう事になったのであった

つづく…

【短編小説】夏祭り⑦

サツキと金魚すくいの屋台で、金魚すくいの勝負をしたハヤトは
サツキに良い所を魅せようと、デメキンばかり掬って居たのだ

しかしハヤトは、なかなかデメキンの金魚を掬う事が出来ず
サツキとの勝負で、一匹の金魚も掬えずに

とうとうハヤトの網(ポイ)は破れてしまった
そしてハヤトは残念そうに、サツキにこう言ったのだ

「ちっくしょー」「此のデメキン、活きが良すぎるよ…」
こうハヤトが、サツキに向かって話し掛けると

其れを観ていたサツキは、ハヤトに向かってこう言ったのだ
「ハヤトくん…」「ハヤトくん、調子に乗って、デメキンばかり掬ってるんだもん…」

こうサツキがハヤトに、笑いながら言ったのだ
するとハヤトはサツキに向かって、こう言い返した

「おっかしーなぁ…」「昔はもっと、上手かったんだけどなぁ…」

ハヤトがサツキにこう言うと、サツキはすかさず
「ハヤトくん…」「金魚すくいの約束、覚えてるよねぇ…」

こうハヤトに向かって、言ったのだ
ハヤトは悔しかったが、サツキとの金魚すくいの勝負に負け

サツキにあんず雨を、ご馳走する事になったのだ
こうして二人は、あんず飴の屋台の方へと向かったのであった

つづく…

【短編小説】夏祭り⑥

お祭りの屋台で、おじさんから金魚すくいの網(ポイ)と椀を受け取ったハヤトとサツキは

昔のように、金魚すくいの勝負をする事になったのだ
そしてハヤトがサツキにこう言葉を掛けた

「サツキ…」「この勝負、勝ったらどうする…?」
こうハヤトが言うと、サツキはハヤトに向かってこう言ったのだ

「それじゃ、ハヤトくん…」「あんず飴を賭けて、勝負しようよ…」
こう嬉しそうに、サツキはハヤトに答えた

其の言葉を聴いたハヤトは、サツキに向かって
「サツキ…」「よーしわかった、サツキには負けないぞ…」

こうハヤトはサツキに言い、ハヤトはサツキに良い所を見せようと
デメキンの金魚ばかり狙って、掬おうとしたのだった

するとサツキはハヤトに向かって、こう言ったのだ
「ハヤトくん…」「其の黒いデメキン、難しいよ…」

こうサツキがハヤトに言うと、ハヤトはサツキに向かって
「 サツキ…」「俺の方が上手いから、此れはハンデだよ…」

こう真剣な眼差しで、ハヤトはサツキに答えたのだ
其の時、既にサツキは二匹の赤い金魚を掬って居たのだ

しかしハヤトは、サツキに良い所を魅せたい一心で、デメキンばかり狙い
一匹の金魚も掬う事が、出来なかったのであった

つづく…

【短編小説】夏祭り⑤

サツキと一緒に、金魚すくいの屋台へと向かったハヤトは
屋台まで来ると屋台のおじさんに、こう話し掛けた

「すいません…」「ふたり分の網(ポイ)を…」
こうハヤトが屋台のおじさんに話し掛けると、屋台のおじさんはハヤトに向かって

「お、若い衆」「今日は彼女とデートか…」
そう屋台のおじさんは、二人に向かって言ったのだ

その時、ハヤトは何と答えたら良いか迷った
するとサツキは、屋台のおじさんに向かってこう答えたのだ

「わたし達、幼馴染なんです…」「今日は昔みたいに、デートかな…」

サツキの此の言葉を聴いたハヤトは
サツキが自分の事を幼馴染として見ているのか

其れとも、ひとりの男性として見ているのか、とても気になったのだ

そして屋台のおじさんから渡された
金魚すくいの網(ポイ)と椀を、ハヤトがサツキに手渡すと

サツキはにっこり笑い、嬉しそうな顔をしたのだった
其のサツキの表情を見て、ハヤトはサツキにこう言ったのだ

「よーし、サツキ…」「昔みたいに、金魚すくい勝負だからなぁ…」

そうハヤトがサツキに言うと、サツキもハヤトに向かって
「わたしも、ハヤトくんに」「負けないんだから…」

此の時、ハヤトは幼い頃にタイムスリップしたかの様な錯覚に陥ったのであった

つづく…

【短編小説】夏祭り④

サツキから、金魚すくいの誘いを受けたハヤトは、ドキドキしながらも
サツキの横に並んで、一緒に屋台へと向かった

するとサツキが、ハヤトにこう言ったのだ
「ハヤトくん…」「ハヤトくん、昔から金魚すくい上手だったよねぇ」

そうサツキが言うと、ハヤトは少し照れながらサツキにこう言った
「サツキ…」「サツキの方こそ、成績良いし運動も出来るから…」

ハヤトがこう言うと、サツキはハヤトの顔を見つめ
「ハヤトくん…」「折角のお祭りなんだから、学校の話は…」「わたしとじゃ、嫌だったかなぁ…」

ハヤトは焦って、サツキにこう言葉を掛けた
「そんな事ないよ、サツキ…」「ごめん…」

そうハヤトが言うと、サツキはちょっと笑いながらハヤトにこう言ったのだ
「ハヤトくん、冗談よ…」「でもハヤトくんが」「わたしの事、どう思って居るか知れて嬉しいな…」

こうサツキがハヤトに言うと、ハヤトも嬉しくなったのだ
其れはサツキが、自分の事を気に掛けてくれて居ると、分かったからだ

こうして二人は屋台まで、話に花を咲かせ向かったのだ
其れはまるで、周りから見ると恋人のように見えたのだった

つづく…

【ありがとう…】

何時も言えない ひと言がある
其れは感謝の気持ち ありがとう…

とても簡単な言葉だが
近い存在には照れくさい

この言葉が喉から 先には出せなのだ
だから僕は 何時もこころの中で

この言葉を言って 感謝している
恥ずかしくても 声に出さないと

この気持ちは 伝わらないことが在る
だから僕は勇気を出して 君に伝えてみたんだ

そしたら僕の想像以上に 君は喜んでくれたね
其の気持ちが僕にも伝わり 僕は嬉しくなったんだ

ありがとう…の言葉は 魔法の言葉だ
この言葉ひとつで 誰かを幸せに出来るのだから

だから僕は 自分の気持ちに正直に
生きて行こうと 思って居るんだよ

そして ありがとう…